離婚してしばらく経った頃。
誰かと再婚しようなんて考えていませんでした。
正直に言うと、
そんな余裕もありませんでした。

毎日忙しかった。
子育て。
経営。
家事。
相変わらず目の前のことをこなすだけの日々でした。
けど、以前と明らかに違うのは、
もう暗闇を孤独に、たったひとりで歩んでいるわけではないということでした。

今は、たった一人の戦いではありませんでした。
信頼できる人がいる。
苦しいときに一筋の光をくれた、道しるべとなってくれた人。
どん底から這い上がる私にそっと伴走してくれた人。
そう、あの苦しい時期に付かず離れず、けれどちゃんと見守り続けてくれた人。
そして、今度は私が彼を支える番。
そう思いました。
そして、私たちはそれがまるで当然のことのように
自然に“家族”になりました。

夫の息子たち、私の長男・長女、
血のつながりはありません。
でも今では、
言わなけれは再婚家族だと気づかれません。
子どもたちは笑い合います。
一緒に出かけます。
喧嘩もします。
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誰が見ても、
ただの家族です。
そして何より、
夫・息子たち・娘
全員が「剣道」をしています。
夫を師として、家族全員が剣道を通じて一つにまとまっていました。

私はなにより、そのことがとても幸せでした。
夫を中心に家族が心をひとつにまとまっている。
スクラップ&ビルドを繰り返す人生だった私には、この地に足のついた家族の形は、幸福そのものでした。
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しかし、
ある日、その夫がとんでもないことを言い出しました。
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「家族みんなでお店を開こう」