朝来へ移住しても、
問題がすべて解決したわけではありませんでした。
むしろ嵐は続いていました。

家庭のこと。
子どものこと。
経営のこと。
そして将来のこと。
毎日が精一杯でした。
当時の私は、
誰にも本当のことを話していませんでした。
話せませんでした。

でも一人だけ、
相談に乗ってくれる人がいました。
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その人は、
私が見えていないものを見ていました。
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ある日、
その人に言われました。
「あなたは被害者ですよ。
問題解決は簡単です。
加害者から離れることです。」
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私は驚きました。
正直に言うと、
何を言っているのかよく分かりませんでした。
人は、問題の渦中にいる時、冷静に自分をみることができないのです。
私は自分を被害者だと思ったことなどありませんでした。
ただ必死に”家族を守ろう”と努力し続けていました。
もうとっくに壊れてしまっていたのに。

でも今思えば、
あの一言が人生を変えました。
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人間は不思議です。
一度気づいてしまうと、
今まで見えていなかったものが見えるようになります。
景色がガラリと変わるのです。
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それまで当たり前だと思っていたこと。
我慢するしかないと思っていたこと。
自分が悪いと思っていたこと。
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それらすべてがまったく違って見えるようになりました。
そして私は、
子どもたちを守るために、人生を立て直すために、
少しずつ動き始めました。
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長いトンネルの出口は、
突然現れるものではありません。
遠くに小さな光が見えて、
それを頼りに少しずつ歩くものなのだと思います。
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そして私は、
ようやく長い結婚生活に終止符を打ちました。
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けして渡れないと思い込んでいた川を渡り、
安心して暮らせる地を目指して、私は再び歩きはじめました。