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第五話 もう一度、家族になる


離婚してしばらく経った頃。

誰かと再婚しようなんて考えていませんでした。

正直に言うと、

そんな余裕もありませんでした。

毎日忙しかった。

子育て。

経営。

家事。

相変わらず目の前のことをこなすだけの日々でした。

けど、以前と明らかに違うのは、

もう暗闇を孤独に、たったひとりで歩んでいるわけではないということでした。

今は、たった一人の戦いではありませんでした。

信頼できる人がいる。

苦しいときに一筋の光をくれた、道しるべとなってくれた人。

どん底から這い上がる私にそっと伴走してくれた人。

そう、あの苦しい時期に付かず離れず、けれどちゃんと見守り続けてくれた人。

そして、今度は私が彼を支える番。

そう思いました。

そして、私たちはそれがまるで当然のことのように

自然に“家族”になりました。

夫の息子たち、私の長男・長女、

血のつながりはありません。

でも今では、

言わなけれは再婚家族だと気づかれません。

子どもたちは笑い合います。

一緒に出かけます。

喧嘩もします。

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誰が見ても、

ただの家族です。

そして何より、

夫・息子たち・娘

全員が「剣道」をしています。

夫を師として、家族全員が剣道を通じて一つにまとまっていました。

私はなにより、そのことがとても幸せでした。

夫を中心に家族が心をひとつにまとまっている。

スクラップ&ビルドを繰り返す人生だった私には、この地に足のついた家族の形は、幸福そのものでした。

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しかし、

ある日、その夫がとんでもないことを言い出しました。

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「家族みんなでお店を開こう」


(第六話へ続く)

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