「剣道具店をやろう。」
そう決まってからの話は早かったと思います。
私が剣道具店の話をすると、
双子は即答でした。
「お、いいね!」
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その瞬間から、
新しい挑戦が始まりました。
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メーカーを探し、
アポイントを取り、
双子を連れて訪問し、
仕入れの段取りをつける。
気づけばどんどん話は進んでいきました。
とはいえ、
双子はまだ20歳。
社会人経験もありません。
商売の経験もありません。
私は剣道をしません。
商品知識もありません。
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商品選びは双子の担当でした。
自分たちが本当に良いと思うものを選ぶ。
それが彼らの仕事でした。
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広告費はゼロ。
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剣道という世界は狭い市場です。
だから私たちは広告よりも、
足を使うことにしました。
ご縁のある剣友会へご挨拶に行く。
稽古会でチラシを配る。
顔を覚えていただく。
地味ですが、
商売の基本です。
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双子にとっては大変だったと思います。
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慣れない挨拶。
知らない大人たち。
緊張する場面の連続。
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でも私は思っています。
恥ずかしい思いは、
どんどんした方がいい。
苦労も、
どんどんした方がいい。
それは全部、
未来の財産になるからです。
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そうして迎えた2026年5月25日。
剣道具店のオープンの日。
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いつもご指導くださっている先輩剣士の皆さん。
大会でよく見かける子どもたち。
たくさんの方が来てくださいました。
「朝来に剣道具店ができるのを待っていた」
そう言ってくださる方もいました。
私たちはその言葉が本当に嬉しかった。
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店を作ったのは私たちです。
でも店を必要としてくれたのは地域の皆さんでした。
開業してから何度も通ってくださるお客様もいます。
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まだ始まったばかりの小さな店です。
でも私は思います。
この店は、
剣道具を売るためだけの店ではない。
地域の剣士たちが集まり、
語り合い、
支え合う場所になれたらいい。
そして双子にとっても、
人生最初の商売の学校になればいい。
そんなことを思っています。
(第八話へ続く)