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第七話 恥ずかしい思いは、どんどんしなさい


「剣道具店をやろう。」

そう決まってからの話は早かったと思います。

私が剣道具店の話をすると、

双子は即答でした。

「お、いいね!」

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その瞬間から、

新しい挑戦が始まりました。

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メーカーを探し、

アポイントを取り、

双子を連れて訪問し、

仕入れの段取りをつける。


気づけばどんどん話は進んでいきました。

とはいえ、

双子はまだ20歳。


社会人経験もありません。

商売の経験もありません。


私は剣道をしません。

商品知識もありません。

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商品選びは双子の担当でした。

自分たちが本当に良いと思うものを選ぶ。

それが彼らの仕事でした。

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広告費はゼロ。

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剣道という世界は狭い市場です。

だから私たちは広告よりも、

足を使うことにしました。

ご縁のある剣友会へご挨拶に行く。

稽古会でチラシを配る。

顔を覚えていただく。

地味ですが、

商売の基本です。

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双子にとっては大変だったと思います。

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慣れない挨拶。

知らない大人たち。

緊張する場面の連続。

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でも私は思っています。


恥ずかしい思いは、

どんどんした方がいい。


苦労も、

どんどんした方がいい。


それは全部、

未来の財産になるからです。

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そうして迎えた2026年5月25日。

剣道具店のオープンの日。

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いつもご指導くださっている先輩剣士の皆さん。

大会でよく見かける子どもたち。

たくさんの方が来てくださいました。


「朝来に剣道具店ができるのを待っていた」


そう言ってくださる方もいました。


私たちはその言葉が本当に嬉しかった。

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店を作ったのは私たちです。

でも店を必要としてくれたのは地域の皆さんでした。

開業してから何度も通ってくださるお客様もいます。

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まだ始まったばかりの小さな店です。

でも私は思います。


この店は、

剣道具を売るためだけの店ではない。


地域の剣士たちが集まり、

語り合い、

支え合う場所になれたらいい。


そして双子にとっても、

人生最初の商売の学校になればいい。


そんなことを思っています。

(第八話へ続く)