「磁今 JICON」今村製陶さん 第二話【Coquette Talk On】

陶磁器の原料は石だ。
山から陶石を採掘し、それを粉にして水に混ぜる。
すると沈殿した部分と、粉が溶け込んだ上澄み液とに分かれる。
その上澄み液をろ過して、残った粉を粘土にする。

もともとの有田焼の原料は、有田市にある泉山という山で採掘される白い石だ。
1616年、この泉山を 朝鮮人陶工・李参平が発見し、日本で初めて陶磁器が誕生したといわれいる。

(記事中の表記、今村肇氏=今村、コケットのマスター高橋通泰=髙橋、筆者コケット高橋香=香、敬称略)

今村:でも僕の仮説はちょっと違ってて。
白い石は先に見つかってたんじゃないかと思うんです。
それで秀吉が朝鮮から技術者を連れてきたと思っています。

泉山は国指定史跡・泉山磁石場として保存されている。
この有田で、日本で初めて陶磁器が誕生して以来400年以上経つ。
”山”とはいうが、400年間掘り続けられた山は、もはや山の姿を留めていない。
現在、陶石の採掘は、ほとんど行われていない。
今の有田焼の原料となる陶石は、熊本県の天草陶石を使用している。
熊本の天草陶石は、有田泉山のものより白いという特徴がある。

今村:磁今ももちろん天草の陶石を使っています。
天草の山から採掘された石は、おもに4つの等級にわけられています。
作家さんは「特上(とくじょう)」、多くの有田焼の窯元は「撰上(えりじょう)」、大量生産品は「撰中(えりちゅう)」「撰下(えりげ)」を使います。
しかし、磁今は全くオリジナルの石を使っています。
昔から有田は高温の1300度で焼くことで「丈夫な割れない有田焼」を武器に器を作ってきました。
それが有田の職人のこだわりと自信です。
しかし僕は、石から変えて温度や釉薬もオリジナルのやり方をすることで「磁今」を生み出しました。

天草の山から採掘された石を、いわゆる良い石(耐火度の高い白い石)と良くない石(耐火度の低い茶色の石)の何種類かの等級にわけ分類された磁土をつくる。
良い石は昔から簡単に取れる所から採っていたため、現在の採掘場は良い石をとるために良くない石が大量にとれる。
しかし、たくさんと採れる良くない石によって採掘コストが上がる一方、良い石の価格はほぼ変わらないままで、事業の継続が危うくなっているのが現状だ。

良くない石と表現しているが、使い方によっては、これがとても良い石になるのだ。
今村氏は、ここに着目し、この「良くない石と呼ばれている良い石」が有田・波佐見地区でも多く使われるようになれば、無駄に陶石の山を掘る必要もなくなり、陶石を採掘する人たちも助かるのでは?と考えた。

そこで、低火度(1200度前後)で磁器化する磁土=「良くない石」を使い、それにあった釉薬を独自で開発し、あの磁今が生まれた。
素材感のある優しい風合いを持った「生成りの白」の誕生だ。

今村:有田焼はもともと1300℃で焼くんですが、僕はこれを1240℃で磁器化する磁土をあえて使うことで、独特の風合いを作っています。

:1240℃で焼くっていうのは、難しい技術なんですか?

今村:いや、焼くことそのものはそんなに難しいことではないです。
ただ、この有田では1300℃で焼くっていうことを当たり前としてきたので、それを変えるということがもしかしたら難しいことかもしれないですね。
1240℃で焼くためには絵具も釉薬もすべて変えなくちゃいけない。
僕はたまたま、磁今というブランドをゼロから立ち上げたので、それが可能だったんです。
有田焼の陶石の採掘現場では、わずかな良い石を掘るために多くの他の石を捨てている、というか放置している。
採掘コストがかさんで、このままでは廃業もあり得るという現状を前にして、やっぱり、この石を使うことには意味があるなと思ったんです。

:そのことでより持続可能なものになりますよね。
放置されているものに新たな使命が生まれるというか。

今村:でもだからといって、原料代が安いってわけじゃないんですよ。

高橋:えっ?!そうなんですか?

今村:誰も使わないもの、流通していないものなので、むしろコストがかかるんです。
原料代は「撰上」と同じなんです。

磁今の磁器は、いくつかの作り方で作られる。
デザインによって、それぞれの形状にあった作り方で作られている。

圧力鋳込み(あつりょくいこみ)
上下雄雌がある型に粘土を流し込み成形するやり方。
型に空いた小さな穴から粘土が入っていく。
いくつも重ねられた石膏型の中に、空気圧で粘土を注入する。
空気圧で押し出すから圧力鋳込み。
圧をかけるので土がすごく締まる。

今村:磁器は、このように石膏型を使った作り方が合っているんですね。
陶器はロクロで成形するのだが、陶器の土をこの石膏型のやり方で作ると粒子が荒く、鉄の分量が乱れる。
陶器の荒い土を石膏型に入れて作ることはできない。
陶器はむしろ手作りで作った方が素材感が引き立つ。
しかし、磁器はもともと素材感がないのが素材なので。

排泥鋳込み(はいでいいこみ)
石膏型にドロドロの水のような粘土を流し込む。

時間が経つと石膏が水分を吸って、約3ミリくらいの厚み部分が固まる。
中のドロドロ粘土を排出し、よく乾燥させると形になる。
この時点では、形になっているとはいえ大変やわらかい。

これを800℃で焼く。
すると写真のピンク色のようになる。

これに釉薬をかけて1200℃で焼くと写真の白いものになる。
はじめの石膏型に比べ、出来上がり品は15%ほど小さくなる。

:なるほどこんなふうにシステマティックに作られているとは思いませんでした。
しかも、何度も焼くんですね。

今村:作り方からみると磁器は本来大量生産に向いているんですね。
個性がないといえば個性がないんだけど、でも僕はそれはたんに磁器の特性だと思っていて、それを無理して手作りで作る必要はないと思うんです。
手作りは手作りの良さがある。
でも、お客さんに安くて良いものを買ってもらいたい。
そこをあえて手作りにして高いものにして買っていただくよりは、安く大量につくれるという磁器の特性を活かして、より広く楽しんでいただくほうがいいと思っています。
けして手作りの作家物も悪くはないんだけど、磁今としてはこの磁器の素材の特性を活かして作りたいんです。

今村:これは機械轆轤(ろくろ)っていう作り方です。
波佐見焼きは、轆轤(ろくろ)でもオートメーション化してもっと大量生産型にしているところもありますが、いわゆる窯業(ようぎょう)、器を作っているところは轆轤(ろくろ)で手作りしているところが多いですね。

左と右で微妙に形が変わっているのが分かるだろうか。
左が轆轤(ろくろ)を回してできたもの。
右が削りを施したもの。
アウトラインをよく見比べて頂きたい。
わずかに削って、シルエットに微妙な反りを加えているのだ。

今村:一歩間違えればふにゃふにゃしたものになってしまうんです。
キリッとさせたまま柔らかさを出す。
たぶん、うちにしか出来ないことだと思います。

磁今を磁今たらしてめているのは、この削りと釉薬だ。
型から出したものに丁寧な削り作業を施すことで、手作りのぬくもりと微妙な個体差が生まれる。
半ばオートメーションで作られているようで、しかし、しっかりと人の手を入れ、命を吹き込むのだ。

この方法は、たしかに効率的ではないかもしれない。
効率的に生産できる磁器ゆえにもっと企業的な窯元になることは可能なのだが、今村氏はそれを選ばないだろう。

磁今は、とてもデザイン性が高い。
それゆえ時に作家っぽく扱われることも多いらしい。
しかし、そんなとき、この半オートメーションの作り方から「作家じゃないじゃん、なに作家ヅラしてんの」的な評価を受けることもあるという。
これは今村氏にしてみれば、とんだとばっちりだ。
彼は純粋に、実直なものづくり人なのだ。
素材をよく知り、素材を活かしたものづくりをすることは、作り手として絶対不可欠な要素だ。
今村氏はいう。
「僕は社長業は得意じゃないんで、できればずっと作っていたいです。」

ものは人が作る。
まさに作り手の魂の結晶なのだ。

(第三話へつづく)

インタビュー第一話【Coquette Talk On Vol.3】「磁今 JICON」今村製陶さん


ごはんとおやつと暮らしの道具店コケット

大分県中津市京町1484-6
Tel. 0979-22-8234
(金曜定休+不定休)
営業時間 11:00~17:00
#カフェのこと・暮らしの道具のこと

※ 中津城から徒歩1分
周辺に市営駐車場(無料)が多数あります。
カーナビで表示されない場合は、中津城を目安にお越しください。
迷った場合は、遠慮なくお電話を。

磁今-JICONを訪ねて

ずっと念願だった愛用の食器の窯元へ、やっと訪問が叶いました。
このところ12月とは思えないような陽気が続き、急に寒くなった定休日。
この冬はじめてクローゼットから出したコートを羽織り、いつものカメラバッグを肩に、マスターと二人で有田へ向かいました。
コケットのお客様ならお馴染みの食器ブランド「磁今/JICON」を展開する 今村製陶さんは、古くからの町屋が立ち並ぶ有田の目抜き通りにあります。
有田陶器市が催されるときには、たくさんの出店が並び最も賑やかな場所になるメインストリートですが、催し以外の日常は、なんとも静かな田舎町です。

以前、東京でマスターが今村さんとお会いした時に訪問のお約束をして以来、久しぶりの再会。
私ははじめまして。
今村さんは、写真のとおり、気さくで可愛い印象の方なんですが、作品に対する情熱がものすごく溢れているのです。
作品への愛というか仕事への愛というか、そういったものがとめどなく溢れている。
正直とてもシンパシーを感じました。

いま取り組んでいる新しい作品のこと、「磁今/JICON」の器がどうやって出来上がるのか。
陶器ができる工程はなんとなく知っていたし、想像がつくのだけど、磁器となるとどうやって出来上がるのか、原料はどんなものかさえ、よく知りませんでした。
磁器ができるまでの工程を事細かに聞くことができて、いつも使っている食器が生まれる過程を知ってとても勉強になりました。
もちろん、そのあたりのことは詳しく後日またブログにてお知らせしますので、どうぞお楽しみに。

ともかく、とても良い出会いだったように思うのです。
作品にはずっと前に出会っているのですが、その作り手である今村さんには今やっとお会いしたわけで。
何かにまっすぐに取り組んでいる人のなんと清々しいことか。
潔さというか、混じりっけなさというか、単純明快というか。
まさに磁器のごとく白くすっきりとした透明感を感じ、ひさびさに信頼できる人に出会ったような喜びを感じたのでした。

奥様がそっと出してくださった深めの珈琲をいただきながら、今後の展開をお聞きするなかで、僭越ながらもマーケティングアイデアをご提案させて頂いたりして、でもそれがもしも実現したら、本当に素敵なんだがなあ、なんて思いながら帰路についたのでした。


ごはんとおやつと暮らしの道具店コケット

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野菜のぬか漬け

ランチでぬか漬けをお出ししているので、ときどきランチ用のぬか漬けと一緒に自分の好きな野菜をぬか漬けにしたりしています。
野菜だけでなく果物なんかも意外な発見があっておもしろいんですよ。
この前もリンゴを漬けてみたのですが、これがすごく美味しいんです!
しょっぱくて甘くて不思議な味。
思いついて、冷蔵庫から子供のおやつに買っておいたプロセスチーズを取り出して、スライスしたぬか漬けりんごでサンドしてみたら、これまた美味!
「白ワインに合うなあ~、日本酒もいける」
なんてお酒は飲めない私ですが、いろいろ想像だけは巡らせて楽しんでます(笑)
今度ランチに出してみようかな。
野菜のぬか漬けは、塩漬けに比べてミネラルは2倍に、ビタミンB1・ナイアシンは10倍になるものもあるのだそうです。
す・す・すごい!

ぬか漬けだけでなく、私はどうやら”漬ける系料理”が好きみたいです。
コケットのメニューにもなっているサワードリンクも”漬ける系”ですね。
”漬ける系”は出来上がるまでの待ってる時間が楽しい料理です。
サワードリンクなどは漬けている瓶の姿もまた素敵。
それだけでインテリアにもなります。
これからの季節は、温度的にも失敗しにくい涼しい(寒い)シーズン。
初めての方にもおすすめの季節です。

滅菌性・抗菌性に優れたパーツのすべてが日本製
(はじめてさんには2Lタイプがおすすめ)
#セラーメイトの保存瓶/ガラス製密封瓶


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小さな幸せ、暮らしの道具店

最近、コケットをカフェとは思わずご来店される方が増えてきました。
そういう場合は、友人に聞いたとか、SNS を見たという方がほとんど。
来店してみるとカフェなので驚いたという方も中にはいらっしゃいます。
SNS やサイトではカフェということがわかるようにしているつもりなのですが、伝わらないこともあるんですね。
コケットは雑貨店というよりは、暮らしの道具店という感じです。
しかも、実際に使って心から良いと思ったものをお取り扱いするというスタイルなので、商品もいわゆる雑貨店らしくないかもしれません。
サイトで見られる商品のすべてが並んでいるわけでもないですし、店舗の2/3はカフェスペースです。
そんなに広い販売面積ではないのですが、それでも見て回るだけでも心が躍る、そんな暮らしの道具店を心がけています。
お客様の暮らしがちょっと楽しくなるような、小さな幸せを感じて頂けるような、そんなカフェそして暮らしの道具店でありたいです。
今日もたくさんのお客様にご来店いただき本当にありがとうございます。
明日からは、テーブルにキャンドルをお持ちするサービスも始まります。
いつもの日常からちょっと外れてそっと一休み、そんな時間を過ごしていただけたら嬉しいです。


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感動のレモン絞り器

我が家の台所にまた新しいメンツが加わりました。

これがもう、ちょっとした感動ものなのです。

レモン絞り器にハンドル付きのポットが付いた。

ただそれだけのことなのに、このジューサーのおかげで我が家の食卓がぐ~んとレベルアップしました。

お鍋のポン酢がしぼりたての手作りになったし、サラダのドレッシングもその場で出来立てを楽しめる。

買い置きの心配もなくなって、一石二鳥とはまさにこのこと。

もう革命といっても良いくらいの素敵な道具だと私は思うのです。

磁器だから電子レンジもOK。

ポットに白ワインやバター、塩コショウなどを入れて絞り器でオレンジをぎゅうっと搾り、電子レンジでチン。

チキンステーキやポークソテーのオリジナルソースも簡単に作れちゃう。

あとはポットのまま食卓へ。

ポットのまま食卓に出せちゃうってところが、私はお気に入りです。

温かい料理を温かいうちに食べたいのはやまやまですが、いくつかの料理を一度に出すってなかなか大変。

もたもたやって少し冷めたチキンステーキでも温かい出来立てのソースをかければもうご馳走です。

朝、搾りたてのジュースを飲むのも最高。

溝はしっかりシャープなので、最後の一滴までストレスなく絞り切れます。

種は受け皿に残るので、果汁だけをきれいに漉しとれます。

この使い心地の良さもこのジューサーの魅力のひとつです。

このジューサーがひとつ我が家のキッチン道具に加わっただけで、こんなにも食生活を豊かにしてくれるなんて。

ころんと丸い形状に白一色。

無駄のないシンプルな機能美にあふれた形は、和食、洋食、中華、エスニック、あらゆる食卓にしっくりきます。

ポットの注ぎ口は、本体の他の部分より釉薬を薄く仕上げることで、切れが良く、液だれしにくい構造なっています。

絞り器とポットとの噛み合わせもストレスゼロ。

だから果汁を絞るときも不安なくしっかり力を込めて、これでもかってくらいに絞ることができます。

もう本当に気持ちいいくらいに絞れるので、お手元に届いた方はぜひやってみてください。

新鮮な搾りたてジュースを楽しむようになってから、果物の直売所にも足しげく通うようになりました。

どれを絞って飲もうかなと考えながら買い物するのが楽しくて。

感動のレモン絞り器!
#東屋/ジューサー

搾りたてジュースを飲むならこのグラスで!
#東屋/コップ

グラスといえばやっぱこれ!
#iittala/カルティオ


ごはんとおやつと暮らしの道具店コケット

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カーナビで表示されない場合は、中津城を目安にお越しください。
迷った場合は、遠慮なくお電話を。

暮らしの道具

 

コケットの暮らしの道具は、こんなテーマに沿っています。

 

実際に使って良いと思ったもの。
和洋折衷に使えるもの。
アンティークを意識して使えるもの。

 

暮らしの道具の販売を始めておよそ2年。
お店もずいぶん変わりました。
暮らしも変って行きます。
いままで良いと思って使ってきたけれど、もっと良いものに出会ってしまうこともあります。
最近もそんな新しい出会いがありました。
コケットの通販をいつもご利用くださっている方々の中には、もうお気づきになった方もあるかもしれませんが、いままで使ってきたものたちだけど、潔くさようならしているものもあります。
実際に見て触ってモノを買う、だけではないことの多い今の時代、世の中には見た目重視で売れている商品も本当に多いです。
価値観というものは、人それぞれ。
見た目がいちばんという価値観もアリだとは思います。
わたしは、暮らしの道具は、心地よく使えるもの、長く大切に使えるもの、そして居ずまいの良いものがいいな。
コケットの価値観ではありますが、心からよいと思ったものをこれからもご紹介させていただく、そのコンセプトは変えずに参ります。
そして、できれば実際に見て触ってお買い求めいただけるよう、カフェにて皆様のお越しをお待ちしております。

 

ごはんとおやつと暮らしの道具店コケット
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カフェのこと https://peraichi.com/landing_pages/view/cafecoquette

暮らしの道具のこと https://kurashi-coquette.jp/

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