もう一つの物語

兵庫県朝来市、兵庫県のちょうど真ん中あたりに位置する山間の村に小さなレストランがあります。

約100年前に建てられた古民家を改築し、レストランとして10年前にオープンしました。

山肌に沿うように二十数軒の家々がならぶ小さな山村で、周辺の景色は田んぼと畑と山だけ。

大阪からは、中国道・播但道を経て車で2時間ほどかかります。

メニューは、但馬牛のビーフシチューとハンバーグステーキのみ。

美味しいお肉としていわずと知れた但馬牛と、添えられる但馬地方の新鮮な野菜たっぷりの料理を求めてお客様が絶えません。

ここは私(コケット・高橋香)の両親が営むレストランです。

やさい厨房-邑居(ゆうきょ)といいます。

両親はそれまで35年以上、奈良県で洋食レストランを営んできましたが、約10年前「持続可能な働き方」を考え、先祖代々の家である朝来市の古民家に移住しました。

夏は、都市部よりも体感温度が3~4℃は低く感じられるくらい、涼しい風がゆったりと吹いています。

山の湧き水を集めて流れる小さなせせらぎがあり、国の天然記念物オオサンショウウオがひょっこり顔を出していたりします。
森林からはひぐらしの声が聞こえ、ほんの少し歩いて山に入るだけで神聖な空気に包まれます。

絵にかいたような田舎暮らしがここにはあります。

先ほど移住と書きましたが、両親は完全に移住したわけではなく、正確には奈良県との二拠点生活をしています。

朝来市の生活は、スーパーまで5km、ちょっと大きな病院へとなると1時間近く車を走らせなければなりません。

高齢になるとある程度の都市型生活が必要になります。

環境は良いのですが、正直いって不便です。

二拠点生活とか多拠点生活という言葉が世の中に出回るずっと前に、両親は二拠点生活を選んでいたわけです。

学生時代から人生の大半を過ごした奈良県には友人知人も多く、心地よいコミュニティがあります。

先祖代々からの住居がある朝来市にも、村のメンバーとして伝統と伝承の一種の役割のようなものを担うコミュニティがあります。

どちらも大切なコミュニティーです。

両親は近い将来、いずれはどちらかの家に定住することになるだろうと思いますが、ゆるやかに生活を変化させてゆくのだと思います。

何かを決めてしまうとちょっと無理してでも目的を果たそうとしてしまいがちです。

決めてしまうわけではなく、人生のそれぞれの場面でしなやかに状況に合わせて暮らす。

このとき、忘れてはならないことは「自分にとって大切なものは何か」その軸だけはぶれないようにいつも気を付けていること。

そうすれば、時代がどう変わっても、世情がどう変わっても、柔軟に合わせつつ大切なものを守って生きて行けるような気がします。

私たちもしなやかに状況に合わせて暮らしてゆこうと思います。

これから私たちが朝来市へ通う回数は増えるでしょう。

大切にするものや生き方の姿勢がぶれないかぎり、朝来市でも世界を広げることが出来るかもしれません。

もう一つの物語がはじまる予感がします。

やさい厨房-邑居(ゆうきょ)についてはこちら


ごはんとおやつと暮らしの道具店コケット

大分県中津市京町1484-6
TEL 0979-22-8234
駐車場あり


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