「磁今 JICON」今村製陶さん 第二話【Coquette Talk On】

陶磁器の原料は石だ。
山から陶石を採掘し、それを粉にして水に混ぜる。
すると沈殿した部分と、粉が溶け込んだ上澄み液とに分かれる。
その上澄み液をろ過して、残った粉を粘土にする。

もともとの有田焼の原料は、有田市にある泉山という山で採掘される白い石だ。
1616年、この泉山を 朝鮮人陶工・李参平が発見し、日本で初めて陶磁器が誕生したといわれいる。

(記事中の表記、今村肇氏=今村、コケットのマスター高橋通泰=髙橋、筆者コケット高橋香=香、敬称略)

今村:でも僕の仮説はちょっと違ってて。
白い石は先に見つかってたんじゃないかと思うんです。
それで秀吉が朝鮮から技術者を連れてきたと思っています。

泉山は国指定史跡・泉山磁石場として保存されている。
この有田で、日本で初めて陶磁器が誕生して以来400年以上経つ。
”山”とはいうが、400年間掘り続けられた山は、もはや山の姿を留めていない。
現在、陶石の採掘は、ほとんど行われていない。
今の有田焼の原料となる陶石は、熊本県の天草陶石を使用している。
熊本の天草陶石は、有田泉山のものより白いという特徴がある。

今村:磁今ももちろん天草の陶石を使っています。
天草の山から採掘された石は、おもに4つの等級にわけられています。
作家さんは「特上(とくじょう)」、多くの有田焼の窯元は「撰上(えりじょう)」、大量生産品は「撰中(えりちゅう)」「撰下(えりげ)」を使います。
しかし、磁今は全くオリジナルの石を使っています。
昔から有田は高温の1300度で焼くことで「丈夫な割れない有田焼」を武器に器を作ってきました。
それが有田の職人のこだわりと自信です。
しかし僕は、石から変えて温度や釉薬もオリジナルのやり方をすることで「磁今」を生み出しました。

天草の山から採掘された石を、いわゆる良い石(耐火度の高い白い石)と良くない石(耐火度の低い茶色の石)の何種類かの等級にわけ分類された磁土をつくる。
良い石は昔から簡単に取れる所から採っていたため、現在の採掘場は良い石をとるために良くない石が大量にとれる。
しかし、たくさんと採れる良くない石によって採掘コストが上がる一方、良い石の価格はほぼ変わらないままで、事業の継続が危うくなっているのが現状だ。

良くない石と表現しているが、使い方によっては、これがとても良い石になるのだ。
今村氏は、ここに着目し、この「良くない石と呼ばれている良い石」が有田・波佐見地区でも多く使われるようになれば、無駄に陶石の山を掘る必要もなくなり、陶石を採掘する人たちも助かるのでは?と考えた。

そこで、低火度(1200度前後)で磁器化する磁土=「良くない石」を使い、それにあった釉薬を独自で開発し、あの磁今が生まれた。
素材感のある優しい風合いを持った「生成りの白」の誕生だ。

今村:有田焼はもともと1300℃で焼くんですが、僕はこれを1240℃で磁器化する磁土をあえて使うことで、独特の風合いを作っています。

:1240℃で焼くっていうのは、難しい技術なんですか?

今村:いや、焼くことそのものはそんなに難しいことではないです。
ただ、この有田では1300℃で焼くっていうことを当たり前としてきたので、それを変えるということがもしかしたら難しいことかもしれないですね。
1240℃で焼くためには絵具も釉薬もすべて変えなくちゃいけない。
僕はたまたま、磁今というブランドをゼロから立ち上げたので、それが可能だったんです。
有田焼の陶石の採掘現場では、わずかな良い石を掘るために多くの他の石を捨てている、というか放置している。
採掘コストがかさんで、このままでは廃業もあり得るという現状を前にして、やっぱり、この石を使うことには意味があるなと思ったんです。

:そのことでより持続可能なものになりますよね。
放置されているものに新たな使命が生まれるというか。

今村:でもだからといって、原料代が安いってわけじゃないんですよ。

高橋:えっ?!そうなんですか?

今村:誰も使わないもの、流通していないものなので、むしろコストがかかるんです。
原料代は「撰上」と同じなんです。

磁今の磁器は、いくつかの作り方で作られる。
デザインによって、それぞれの形状にあった作り方で作られている。

圧力鋳込み(あつりょくいこみ)
上下雄雌がある型に粘土を流し込み成形するやり方。
型に空いた小さな穴から粘土が入っていく。
いくつも重ねられた石膏型の中に、空気圧で粘土を注入する。
空気圧で押し出すから圧力鋳込み。
圧をかけるので土がすごく締まる。

今村:磁器は、このように石膏型を使った作り方が合っているんですね。
陶器はロクロで成形するのだが、陶器の土をこの石膏型のやり方で作ると粒子が荒く、鉄の分量が乱れる。
陶器の荒い土を石膏型に入れて作ることはできない。
陶器はむしろ手作りで作った方が素材感が引き立つ。
しかし、磁器はもともと素材感がないのが素材なので。

排泥鋳込み(はいでいいこみ)
石膏型にドロドロの水のような粘土を流し込む。

時間が経つと石膏が水分を吸って、約3ミリくらいの厚み部分が固まる。
中のドロドロ粘土を排出し、よく乾燥させると形になる。
この時点では、形になっているとはいえ大変やわらかい。

これを800℃で焼く。
すると写真のピンク色のようになる。

これに釉薬をかけて1200℃で焼くと写真の白いものになる。
はじめの石膏型に比べ、出来上がり品は15%ほど小さくなる。

:なるほどこんなふうにシステマティックに作られているとは思いませんでした。
しかも、何度も焼くんですね。

今村:作り方からみると磁器は本来大量生産に向いているんですね。
個性がないといえば個性がないんだけど、でも僕はそれはたんに磁器の特性だと思っていて、それを無理して手作りで作る必要はないと思うんです。
手作りは手作りの良さがある。
でも、お客さんに安くて良いものを買ってもらいたい。
そこをあえて手作りにして高いものにして買っていただくよりは、安く大量につくれるという磁器の特性を活かして、より広く楽しんでいただくほうがいいと思っています。
けして手作りの作家物も悪くはないんだけど、磁今としてはこの磁器の素材の特性を活かして作りたいんです。

今村:これは機械轆轤(ろくろ)っていう作り方です。
波佐見焼きは、轆轤(ろくろ)でもオートメーション化してもっと大量生産型にしているところもありますが、いわゆる窯業(ようぎょう)、器を作っているところは轆轤(ろくろ)で手作りしているところが多いですね。

左と右で微妙に形が変わっているのが分かるだろうか。
左が轆轤(ろくろ)を回してできたもの。
右が削りを施したもの。
アウトラインをよく見比べて頂きたい。
わずかに削って、シルエットに微妙な反りを加えているのだ。

今村:一歩間違えればふにゃふにゃしたものになってしまうんです。
キリッとさせたまま柔らかさを出す。
たぶん、うちにしか出来ないことだと思います。

磁今を磁今たらしてめているのは、この削りと釉薬だ。
型から出したものに丁寧な削り作業を施すことで、手作りのぬくもりと微妙な個体差が生まれる。
半ばオートメーションで作られているようで、しかし、しっかりと人の手を入れ、命を吹き込むのだ。

この方法は、たしかに効率的ではないかもしれない。
効率的に生産できる磁器ゆえにもっと企業的な窯元になることは可能なのだが、今村氏はそれを選ばないだろう。

磁今は、とてもデザイン性が高い。
それゆえ時に作家っぽく扱われることも多いらしい。
しかし、そんなとき、この半オートメーションの作り方から「作家じゃないじゃん、なに作家ヅラしてんの」的な評価を受けることもあるという。
これは今村氏にしてみれば、とんだとばっちりだ。
彼は純粋に、実直なものづくり人なのだ。
素材をよく知り、素材を活かしたものづくりをすることは、作り手として絶対不可欠な要素だ。
今村氏はいう。
「僕は社長業は得意じゃないんで、できればずっと作っていたいです。」

ものは人が作る。
まさに作り手の魂の結晶なのだ。

(第三話へつづく)

インタビュー第一話【Coquette Talk On Vol.3】「磁今 JICON」今村製陶さん


ごはんとおやつと暮らしの道具店コケット

大分県中津市京町1484-6
Tel. 0979-22-8234
(金曜定休+不定休)
営業時間 11:00~17:00
#カフェのこと・暮らしの道具のこと

※ 中津城から徒歩1分
周辺に市営駐車場(無料)が多数あります。
カーナビで表示されない場合は、中津城を目安にお越しください。
迷った場合は、遠慮なくお電話を。

「磁今 JICON」今村製陶さん 第一話【Coquette Talk On Vol.3】

コケットのお客様にはお馴染みの食器ブランド「磁今/JICON」を展開する今村製陶さんは、古くからの町屋が立ち並ぶ有田の目抜き通りにある。
有田陶器市が催されるときには、たくさんの出店が並び最も賑やかな場所になるメインストリートですが、催し以外の日常は、なんとも静かな田舎町だ。

こちらが、代表の今村肇氏。
やんちゃ坊主のような笑顔が印象的。

そして上品で美しい奥様の支えがあって、今村氏の情熱が素敵な作品となって羽ばたいているんだなあ。

(記事中の表記、今村肇氏=今村、コケットのマスター高橋通泰=髙橋、筆者コケット高橋香=香、敬称略)

高橋:磁今は、作品にドラマを感じるんです。
佇まいのその向こうにストーリーが見えるっていうか。
和にも洋にもテイストが合う、そして現代にもアンティークにも合う。
何も盛り付けられていなくても、ドラマがある器なんですよねえ。
それはやっぱり生成りの白が所以なのかなあ。

香:「ストーリー性がある」っていうのは、コケットのモノ選びの基準にしていて、それだけで完結しない。
他のものと掛け合わせたときにいい役者になる。
モノの向こうにある物語を大切にしているんです。

今村:まあ、うちのはそんなに主張が強くないんで、馴染みやすいっていうか。

高橋:逆にそれがいいんですよ。
出すぎず引きすぎず。そしてすごく温かみがありますよね。

今村:前からあったかのような?(笑)
これ出来た時もみんなで言ったんですよ。あれ、前からあったかなって(笑)

香:ああ、そうですね。分かります、その感じ。
そのままでアンティークのようでもあるし、アンティークと一緒に使っても違和感がない。

今村:ひと昔前だと、伝統を否定して新しいものをっていう考え方があったんだけど、僕らは伝統を引き継いで肯定して、今必要とされている部分はどこなんだっていう考えの上でモノづくりをして来たし、これからもしようねっていうふうには考えています。

なるほど、モノづくりに対するとても真摯な姿勢が見て取れた。
そうか、今村氏が語った“自己主張しない”という磁今の個性は、そのまま今村さんのものづくりの姿勢でもあるのだ。
伝統工芸の世界にいると、伝統という長い流れの中に立って、自分という個のあり方とのジレンマに苦しむこともあるだろう。
しかし、彼はその流れに掉さすことはせず、流れの一部として個性をうまく表現している気がする。
伝統を引き継ぐ者のその真摯な生きる姿勢に共感を覚えつつ、私たちは工房へと向かった。

その時、奥様が「全工程をしている有田焼の窯元ってなかなかないので、どうぞご覧ください。」とおっしゃった。
全工程?そのファクトリーな響きに、そもそも有田焼つまり磁器ってどうやって作られるのだ?という疑問が、いまさらながらに沸いた。
焼き物って、土をこねてロクロで成形して窯で焼く。
高校の美術の授業で作ったことがあったから、何となくだがそんなものだろうと思っていた。
しかし、このあと磁器と陶器ではこんな違いがあるのかと驚くことになる。

今村:有田焼っていうのは、基本的には分業制なんです。
原型は自分で作って、石膏型を作って、そこから窯元で焼いて、上絵付けはまた別の業者がする。
それぞれの専門職があって外注するんです。

高橋:分業制なんですね。知らなかった。

今村:400年やっているので、分業のほうが生産効率もいいし、そのほうがクオリティも高く保てるんです。
大量生産大量消費の時代は、それが良かったんだけど、今はそんなにめちゃくちゃ売れる時代でもないし。
やっぱり分業制のデメリットもあって、自分は大量生産するつもりはないし、かといって個人の作家さんが一個二個っていう作り方もしたくない。
自分は程よい量を安い値段で、しかも味わいあるものを作りたいと思ったんです。
なのでうちは、外注に出さず全部うちでやっています。

そうか、先ほど奥様がおっしゃった全工程をやっているというのはそういうことか。
工房の一角では職人さんが、湯のみのひとつひとつに釉薬をかける作業を行っていた。
陶磁器は、いくつかの作り方があるが、基本的には原料の粘土を石膏型で形どり、乾燥と幾たびかの窯焼きを重ねて作られる。

高橋:僕は磁今のイメージは、どちらかというと使うというよりは飾っておきたい感じなんですよね。

今村:えっ、使ってください!(笑)

香:あら?私は使いたいけどなあ。
実際コケットのランチでも使ってるしね。(笑)

今村:あ、でも分かります。
食器棚に置いて絵になるっていうのは、みんなで意識して作ってます。
これを見てもらったらわかるんですけど、これがなま生地っていうもので、型から抜いただけの押したらポコって折れるような生地なんですけど、型の切れ目のフチなんかがやっぱり残っているんですね。
それを一個一個キレイにフチを削りなおして、フォルムをはっきりさせる。
大量生産だとこのまま次の工程に行ったちゃうんだけど、うちはここでいったん形を決めなおして、形をはっきりさせるんです。

香:こまかい作業に手間がかかってるんですね~。

今村:手間っていうより、地味(笑)
地味なんだけど、これがけっこう重要でここで磁今の思う形を作るんです。

高橋:受注生産でもないし、大量生産でもない、程よい量って感じですか?

今村:そうですね、自分たちはそれぐらいのほうが気持ちがいいですね。
最初の石膏型を使ってできる形以外は、ほぼ作家ものと変わらないんですよね。

高橋:やっぱりこの菊のデザインっていうのは、大事なラインなんでしょうか?

今村:そうですね、ただ菊のデザインっていうのは一番手間がかかるので、生産率としてはなかなか上がらないんですが。

高橋:有田焼=菊っていう伝統的な形ですよね。

今村:そうですね、昔からある形なので、でもそれをあえてやりたいというか。
あるとき東京のディレクターさんが「あらためて、磁今が菊皿っていうものをいいなと思わせてくれた」とは言ってくれましたね。

高橋:ほかにも有田焼の菊皿ってありますが、僕は磁今は他とは違うものを感じているんですね。
フォルムの丸さに温かみと優しさを感じるんです。

今村:それは、じつは意識していて、他はコンピューターで作るんですね。
デザイナーさんからコンピューターでデザインが上がってきて、作るのもコンピューターで作ってます。
でもうちは、もちろんデザイナーさんからはコンピューターで作ったデザインが来るんですが、そこから先はぜんぶ手でやる。
それによって、あえてちょっとゆるい仕上がりなるんです。

高橋:ああ、それがこの独特のぬくもりを生むんだなあ。

この後、実際に磁器を作る工程を見せて頂いた。
単純に「土をこねて焼く」のではないことを改めて知った。
磁器は、本来機械的に作ることができるものだ。
それゆえに、大量生産品のように海外に多く輸出されていた歴史がある。
磁今も機械を使って作るのだが、それは大量に作るためではなく、原料の特性によるものだ。
原料の粘土を型にはめて形作るのだが、それをあえて手ごねで作るのはナンセンスだ。
原料の特性に合わせた作り方をし、そこに出来る限り人の手を加えて、手作りの良さを加えるのだ。

次回は、工房のさらに奥へ。
磁今らしい温もりが生まれる工程をご覧いただきます。
お楽しみに。

(第二話へつづく)

インタビュー第二話【Coquette Talk On Vol.3】「磁今 JICON」今村製陶さん


ごはんとおやつと暮らしの道具店コケット

大分県中津市京町1484-6
Tel. 0979-22-8234
(金曜定休+不定休)
営業時間 11:00~17:00
#カフェのこと・暮らしの道具のこと

※ 中津城から徒歩1分
周辺に市営駐車場(無料)が多数あります。
カーナビで表示されない場合は、中津城を目安にお越しください。
迷った場合は、遠慮なくお電話を。

磁今-JICONを訪ねて

ずっと念願だった愛用の食器の窯元へ、やっと訪問が叶いました。
このところ12月とは思えないような陽気が続き、急に寒くなった定休日。
この冬はじめてクローゼットから出したコートを羽織り、いつものカメラバッグを肩に、マスターと二人で有田へ向かいました。
コケットのお客様ならお馴染みの食器ブランド「磁今/JICON」を展開する 今村製陶さんは、古くからの町屋が立ち並ぶ有田の目抜き通りにあります。
有田陶器市が催されるときには、たくさんの出店が並び最も賑やかな場所になるメインストリートですが、催し以外の日常は、なんとも静かな田舎町です。

以前、東京でマスターが今村さんとお会いした時に訪問のお約束をして以来、久しぶりの再会。
私ははじめまして。
今村さんは、写真のとおり、気さくで可愛い印象の方なんですが、作品に対する情熱がものすごく溢れているのです。
作品への愛というか仕事への愛というか、そういったものがとめどなく溢れている。
正直とてもシンパシーを感じました。

いま取り組んでいる新しい作品のこと、「磁今/JICON」の器がどうやって出来上がるのか。
陶器ができる工程はなんとなく知っていたし、想像がつくのだけど、磁器となるとどうやって出来上がるのか、原料はどんなものかさえ、よく知りませんでした。
磁器ができるまでの工程を事細かに聞くことができて、いつも使っている食器が生まれる過程を知ってとても勉強になりました。
もちろん、そのあたりのことは詳しく後日またブログにてお知らせしますので、どうぞお楽しみに。

ともかく、とても良い出会いだったように思うのです。
作品にはずっと前に出会っているのですが、その作り手である今村さんには今やっとお会いしたわけで。
何かにまっすぐに取り組んでいる人のなんと清々しいことか。
潔さというか、混じりっけなさというか、単純明快というか。
まさに磁器のごとく白くすっきりとした透明感を感じ、ひさびさに信頼できる人に出会ったような喜びを感じたのでした。

奥様がそっと出してくださった深めの珈琲をいただきながら、今後の展開をお聞きするなかで、僭越ながらもマーケティングアイデアをご提案させて頂いたりして、でもそれがもしも実現したら、本当に素敵なんだがなあ、なんて思いながら帰路についたのでした。


ごはんとおやつと暮らしの道具店コケット

大分県中津市京町1484-6
Tel. 0979-22-8234
(金曜定休+不定休)
営業時間 11:00~17:00

https://kurashi-coquette.jp/

※ 中津城から徒歩1分
駐車場をご案内しますので、お声掛けください。
カーナビで表示されない場合は、中津城を目安にお越しください。
迷った場合は、遠慮なくお電話を。

【インタビュー】秘密の舞台裏を大公開!

【Coquette Talk On】インタビュー連載 Vol.2

今回は、フードコーディネーター古賀順一さんのアトリエにお邪魔しました。
古賀順一さんの料理が生まれる秘密の舞台裏を大公開!

コケットマスター高橋:古賀さんって本当にアクティブですよね。
どこでも仕事できる人っていうイメージです。
料理のプロデュースだけでなく、レストランなどから声がかかれば実際に料理人として現場にも立つ。
活躍の場も湯布院だけにとどまらない。

古賀順一さん:ただ湯布院に居ても頭が固まってしまうからね。
僕は湯布院で長く仕事をさせてもらったんで、やっぱり湯布院には“恩”も“縁”もあるから、仕事量としては多いんだけど、湯布院だけにはあまりこだわってないんだよね。
それは、亀の井別荘時代の影響が大きいかもね。
当時、中谷健太郎さんには、日本中いろんなところへ連れて行ってもらった。
やっぱり東京が一番多かったかな。
他にも京都の料亭や神戸のレストラン、近江の熟れ寿司とか珍しい料理も食べ歩いたね。

高橋:わかります。
健太郎さんってそういう人なんですよね。
その“勉強旅行”の中で一番記憶に残っているものってありますか?

古賀:印象深かったのは神戸の「ジャンムーラン」やね。

高橋:美木剛さんですね。

古賀:あそこは料理もサービスも何もかもにパワーが満ち溢れているというか、バイタリティーがすごいよね。
本当に良い勉強をさせていただいたよ。

高橋:日本全国いろんな土地の料理を勉強に行くってすごいことですよね。
それだけ古賀さんが期待されていたってことですよね。

古賀:いやいや、でもおかげで貴重な経験もたくさんさせていただいた。
ある時は、道場六三郎さんとジビエ料理対決なんていう企画があって、イノシシを一頭まるまる使って料理を作るんだよ。
猪肉の内臓シチューとかね(笑)
すきやばし次郎の次郎さんもいらっしゃったね。
懐かしいな。

高橋:けっこうなハードルを飛び越えてきたんですねえ!
俺だったらそんな課題を与えられたら、ストレスできっと剥げるな(笑)

古賀:いやあ、むしろ楽しかったよ。
高橋君も知っての通り、中谷健太郎さんはすごい人でね。
アイデアや発想が常人じゃない。
文化人の友人知人も多くて、本当に魅力的な人。

高橋:はい。よく知っています。

古賀:普通じゃなかなかできない体験をさせてもらったよ。
湯布院だけ亀の井別荘だけでは、頭も固くなるし知らず知らずのうちに錆びついてくるからね。

高橋:僕らもカフェ経営がもちろん主軸ではあるんですが、カフェだけで終わらないように、心の中の三割くらいは常に新しい何かを求めているように心がけているんです。
時代の流れが早いのでおちおちしていられない、気が気じゃない感じは常にあるんです。

古賀:やっぱり外に発信していかんとね。

高橋:でもコレよくあることなんですけど、ネット上ではすごく良くみえているんだけど、実際に体験してみるとちょっと違うなっていうことありますよね。

古賀:ああ、あるね。
グルメサイトで評判のお店に行ってみると正直美味しくないとかね。
前評判が良すぎるとハードルが上がるせいかもしれないけど(笑)

高橋:そうなんですよね。
僕らもその辺はいつも気を付けているところです。
ネット上であまりにも期待して来られちゃうと困るんで(笑)
情報はそこそこに、あとはお客様ご自身の目で耳で舌で五感で、体感してくださいって。

古賀:だからなんかな、コケットのサイトには、カフェ以外のことを書いたブログや記事が多いよね?

高橋:ははは、そうですね。
今日もこうして来てますね。
カフェは、お客様ご自身に体験していただきたくて。
その時にその体験が、10倍楽しくなるとしたら面白くないですか?
今日の古賀さんとのトークを読んでいただくと、コケットオリジナル商品の作り手の顔が見えるのはもちろんのこと、商品への想いとかその商品が生まれる背景みたいなことも情報として知っていただける。
それからご来店いただいて、実際に商品を手に取っていただく、あるいはご購入いただく。
自宅に帰って実際に食した時、その情報も味に含めて楽しんでいただける。
たった一つの商品なんだけど、その楽しみ方がすごく膨らむじゃないですか?

古賀:ああ、なるほど確かにそう考えると面白いね。
情報発信の時代だね。

高橋:古賀さんは、SNSはやらないんですか?

古賀:いやあ、なかなか難しいよね。
俺なんかスマホも使いきらんもんね(笑)

高橋:もったいないですよ。
古賀さんのお仕事ぶりをもっと公表して良いと思うんですよね。
昔の同僚が言ってましたよ「古賀さんは断れない人だから」って。
「なんでも、うん分かったって言う性格やからね」って。(笑)

古賀:あはは、うちのかみさんには「NPOしてる」って叱られてばっかりだよ。

高橋:でもそれが古賀さんらしいなって。
人と人を繋ぐ才能があるんですよ。

古賀:まあ、料理を作るのも同じなんだけど、人に喜ばれるのが嬉しい、そういう気持ちがないとなかなか美味しものは作れんと思うんだよね。

高橋:古賀さんは元々どこから料理の世界に入られたんですか?

古賀:もとは地元の久留米の料亭で修業してたんだけど、24歳のときに亀の井別荘に入って、26歳の時に料理長になってね。
それから約20年間勤めて独立したんやけどね。

高橋:なぜ独立しようと思ったんですか?

古賀:うん、それはね、ずっと若い時から思ってたんだよね。
50歳くらいになったら独立しようって。
自由に仕事がしたいっていう想いがあってさ。
自分の力でどれだけやれるか、挑戦してみたいって思ったんだよね。

高橋:ジャンムーランの美木剛さんみたいじゃないですか。

古賀:いやいや、そんな立派なもんじゃないよ。
ただ、人に使われるんじゃなく自分の力でやりたいって思ったんだよね。

高橋:職人ってそういうものですよね。
独立してこそっていう、情熱を持った人が職人の道を歩いている気がします。
でも、最近はそういう人が少なくなりましたよね。
サラリーマン職人が多くなった。

古賀:たしかに雇われてるほうが気は楽だよね。

高橋:そうですね。
僕もカフェをやってからサラリーマンのほうがどれだけいいかって思いますもん。
でも、自分の店だったら自分の自由に出来るんです。
自分のやったことが来客数や売り上げやお客様の声で、ちゃんと評価として返ってくる。
失敗しても自分のやったことだから、失敗を糧にして、今度はもっと良いものにしてお客様に届けようって、バイタリティーに変化させられるんですよね。

古賀:そう、やり甲斐っていうかね、自分がやっただけのことが自分に返ってくるっていう面白みがあるよね。

高橋:僕は、僕に関わってくれる人が喜んでくれたらそれが一番嬉しいっていうか、儲けたいとか稼ぎたいとかっていう気持ちがあんまりないんです。
じつは。

古賀:そのへんは俺も同じやね。
周りの人間がどれだけ幸せか、そればっかり考えてしまうよね。

(おわり)


【 profile 】

古賀順一(フードコーディネーター)
湯布院亀の井別荘元料理長。
26歳の若さで料理長に抜擢され、その後18年間料理長に就任。
独立後は、DEAN&DELUCA等にて多数のフード商品を展開する傍ら、玉の湯などのフードギフトをコーディネート。その他ウエディング料理のコーディネートなど多くの場で活躍中。
九州を代表するフードコーディネーターとして注目されている。


コケットと古賀順一さんとのコラボで生まれた新商品。
ただ純粋に“食べたいもの・美味しいもの”にこだわってみました。


ごはんとおやつと暮らしの道具店コケット

大分県中津市京町1484-6
Tel. 0979-22-8234
(金曜定休+不定休)
営業時間 11:00~17:00
#カフェのこと・暮らしの道具のこと

※ 中津城から徒歩1分
周辺に市営駐車場(無料)が多数あります。
カーナビで表示されない場合は、中津城を目安にお越しください。
迷った場合は、遠慮なくお電話を。

ヨーガンレールの社員食堂に来ました。

ヨーガンレールの社員食堂は、一般公開されていません。
年に数回ある展示会などの機会には、バイヤーやプレスなど、社員以外の訪問者も利用する事ができます。
今日は「ごはんとおやつと暮らしの道具店Coquette」の店長高橋通泰が、2018年秋、ヨーガンレール本社を訪れた際の社員食堂での様子をお知らせしたいと思います。

こちらのひときわ趣のある建物がヨーガンレール本社です。
近年、ブルーボトルコーヒーやおしゃれなカフェなどが次々に出店していることでも注目されている東京・清澄白河の閑静な住宅街にあります。

そしてこちらが、ババグーリのショップのエントランスです。
ここでもうすでに、ヨーガンレール・ババグーリの世界観にぐっと引き込まれてしまいます。
緑あふれる階段を上った先にヨーガンレールの社員食堂があります。

大きな窓から見える緑の木々が清々しく、ここが本当に社員食堂かと疑うくらいのおしゃれ空間が広がります。
高橋が訪問した日は、外部からの訪問者を受け入れる特別な日でしたので、それぞれがごはんやスープを好きなだけ盛り付けられるように前方に島が作られていました。

毎回、ヨーガンレール本社訪問で心から楽しみにしているのが、ヨーガンレールの社員食堂でのランチです。
ヨーガンレールの社員食堂は、オーガニックのベジタリアン料理として有名です。
コケットのランチも野菜ばかりのおばんざい料理ですから、よく似ているのですが、ヨーガンレールの社員食堂のメニューはもっと徹底しています。
その季節にできる旬の野菜で、ごはんは玄米、調味料も含めてすべてオーガニックのものを使用しています。

「土に還らないものはつくってはいけない、仕事でも生活のシーンでも環境を考えることが重要です」
これはヨーガン・レールさんのお言葉です。
自然との調和と共生を大切にされてきたヨーガン・レールさんのこだわりが食という場面で表現されているのが、ヨーガンレールの社員食堂なのです。

肉・魚・砂糖を使わずに満足する一皿を作る。
私たちも毎日苦心しているので、それがどんなに大変なことかよくわかります。
ましてや、コケットでは砂糖は使用しますから、砂糖さえ使わないなんてことがどんなにすごいことか。
ごはんは赤米入りの玄米ご飯、たかきびのズッキーニボード、トマトと小松菜のスープ、ラタトゥイユ、キャベツやなすびのぬか漬け、りんごとセロリのサラダ、きのことほうれん草の炒め物。
どれも、口に運んだ瞬間すぐ「美味しい!」とはなりません。
よく噛んで味わって、食べ終わった時には不思議なくらい満足感に満たされる。
じんわり染み込むような美味しさ、それがヨーガンレールの社員食堂なのです。

ヨーガン・レールさんの自然環境への畏敬の念がもっとも込められていて、もっとも表現されていると言ってもいいのが、ババグーリの暮らしの道具です。

環境を汚さない、土に還る素材で、ていねいな手仕事でつくられた服や暮らしの道具など、自分にとって必要不可欠なもの。
それがヨーガンレールのババグーリです。
ごはんとおやつと暮らしの道具店Coquetteにお越しの際は、ぜひババグーリを手に取ってみてください。

#ヨーガンレール #ババグーリ


ごはんとおやつと暮らしの道具店コケット

大分県中津市京町1484-6
Tel. 0979-22-8234
(金曜定休+不定休)
営業時間 11:00~17:00
#カフェのこと・暮らしの道具のこと

※ 中津城から徒歩1分
周辺に市営駐車場(無料)が多数あります。
カーナビで表示されない場合は、中津城を目安にお越しください。
迷った場合は、遠慮なくお電話を。

【インタビュー】珈琲木馬 小野悦典さんに聞きました。第二話

小野さん:ところでさ、高橋君はなんでハンドドリップ珈琲にしたの?
いまどきのカフェって、マシーンが好きじゃない?
高橋:コケットをオープンするとき、マシーン、フレンチプレス、マキネッタ、いろいろ考えました。
でも日本人として、珈琲はやっぱりハンドドリップだなと。
小野さん:そうなんですよ、ハンドドリップなんです。
高橋:だってハンドドリップって面白いじゃないですが、じつはすごく奥が深い。
湯の落し方、スピード、それだけでも味がぜんぜん変わってくる。
丁寧に入れた珈琲の美味しさって、やっぱりハンドドリップが一番だなって。
小野さん:そう、ハンドドリップこそ日本の珈琲の象徴ですよ。
高橋:日本らしいですよね、茶道の野点にも似ている。
エンターテイメント性がありますよね。
小野さん:昔ね、亀の井別荘で国際的な建築学会があったんだけど、食事会の時にみんなの前でハリオの珈琲ドリッパーでハンドドリップで珈琲を淹れたら拍手が沸き起こってね。
ちょっと驚いたんだけど、日本人の僕からしたらハンドドリップって珍しくない。
けど、世界から見たらそうじゃないんだよね。
もう立派なエンターテイメントだった。

珈琲木馬,小野悦典,高橋通泰,コケット

高橋:小野さんの珈琲って、どこか懐かしいっていうか、いつかどこかで飲んだことがるような感じがするんですよね。
だからといって、古臭いとかそういうんじゃなくて、ノスタルジーっていう表現が一番しっくりくるかなあ。
小野さん:その辺ってすごく大事なんですよね。
たとえば、ローストにしても僕はいつもこのくらいまでは焼くので。

珈琲木馬,小野悦典,高橋通泰,コケット

小野さん:浅煎りで酸っぱい味をだすのも面白いかもしれないけど、普段の食事で酸っぱいものばかりだとちょっとつらいでしょ?
主食のごはんみたいな、毎日飲んでも飽きない珈琲っていうか。
高橋:要するにバランスが大事ってことですよね?
小野さん:そうだね。だからローストの位置なんかもそのへんやっぱりヨーロッパなんかはしっかりしていて、ミディアムローストの珈琲がやっぱり主流で、ミルクにも合うし砂糖との相性もいいしっていう。
高橋:結局今の時代はおかずだけでも生活できるっていうか、偏食傾向みたいなところがありますね。
小野さん:生活が豊かになって、味覚範囲も広がって、すっごい苦いのもあるし酸っぱいのもある。
それは自由だけど、毎日飲むんだったらどこなんだっていうことを僕は考えるんだよね。
高橋:流行に左右されない。
小野さん:うん。そうだね、流行りのものを追いかけたほうが、もっと売れるのかもしれないけど(笑)

小野さん:でも僕はやっぱり、中谷健太郎さんと出会って、亀の井別荘の珈琲を任せてもらうことになって。
中谷健太郎さんは、僕にとってみれば生きがいだったから、亀の井別荘の珈琲として恥ずかしくないものをって、そこをずっと追いかけてきた(笑)
高橋:中谷健太郎さんは、小野さんの道を切り開いた人、人生のきっかけを作った人なんですね。
小野さん:そう、僕はホント、ただの玖珠の田舎の焙煎師だったんだけど、中谷健太郎さんに出会って変わったんだよね。
草野球やってたところ、健太郎さんに「お前やってみろ」って言われて、まともな野球選手に変えてくれたんだから、それはもう僕は一流にならざるを得ないぞって一生懸命やってきました。
高橋:やっぱり小野さんもそうなんだなあ、芯がありますよね。
ブレない。
良い時も悪い時もあるんだろうけど、変わらない。
小野さん:流行っても流行らんでもしっかりした仕事は続けとかんと、芯がないとね。
ただ、僕の場合は特異ですよ。
健太郎さんがそれだけの負荷を俺に与えてくれた。
だからこれまでやってこれたわけで、本当に感謝ですよ。
高橋:僕もブレない男でいたいなあ(笑)
(おわり)

【インタビュー連載】第一話 珈琲木馬 小野悦典さんに聞きました。


【 profile 】

小野 悦典
湯布院・塚原高原「珈琲木馬」代表。
丁寧にローストされた自家焙煎珈琲と奥様の焼く素朴な焼き菓子は、多くの食通・珈琲通に定評がある。
珈琲木馬
大分県由布市湯布院町塚原奈良山4-35


ごはんとおやつと暮らしの道具店コケット

大分県中津市京町1484-6
Tel. 0979-22-8234
(金曜定休+不定休)
営業時間 11:00~17:00
#カフェのこと・暮らしの道具のこと

※ 中津城から徒歩1分
周辺に市営駐車場(無料)が多数あります。
カーナビで表示されない場合は、中津城を目安にお越しください。
迷った場合は、遠慮なくお電話を。