【インタビュー】珈琲木馬 小野悦典さんに聞きました。第二話

小野さん:ところでさ、高橋君はなんでハンドドリップ珈琲にしたの?
いまどきのカフェって、マシーンが好きじゃない?
高橋:コケットをオープンするとき、マシーン、フレンチプレス、マキネッタ、いろいろ考えました。
でも日本人として、珈琲はやっぱりハンドドリップだなと。
小野さん:そうなんですよ、ハンドドリップなんです。
高橋:だってハンドドリップって面白いじゃないですが、じつはすごく奥が深い。
湯の落し方、スピード、それだけでも味がぜんぜん変わってくる。
丁寧に入れた珈琲の美味しさって、やっぱりハンドドリップが一番だなって。
小野さん:そう、ハンドドリップこそ日本の珈琲の象徴ですよ。
高橋:日本らしいですよね、茶道の野点にも似ている。
エンターテイメント性がありますよね。
小野さん:昔ね、亀の井別荘で国際的な建築学会があったんだけど、食事会の時にみんなの前でハリオの珈琲ドリッパーでハンドドリップで珈琲を淹れたら拍手が沸き起こってね。
ちょっと驚いたんだけど、日本人の僕からしたらハンドドリップって珍しくない。
けど、世界から見たらそうじゃないんだよね。
もう立派なエンターテイメントだった。

珈琲木馬,小野悦典,高橋通泰,コケット

高橋:小野さんの珈琲って、どこか懐かしいっていうか、いつかどこかで飲んだことがるような感じがするんですよね。
だからといって、古臭いとかそういうんじゃなくて、ノスタルジーっていう表現が一番しっくりくるかなあ。
小野さん:その辺ってすごく大事なんですよね。
たとえば、ローストにしても僕はいつもこのくらいまでは焼くので。

珈琲木馬,小野悦典,高橋通泰,コケット

小野さん:浅煎りで酸っぱい味をだすのも面白いかもしれないけど、普段の食事で酸っぱいものばかりだとちょっとつらいでしょ?
主食のごはんみたいな、毎日飲んでも飽きない珈琲っていうか。
高橋:要するにバランスが大事ってことですよね?
小野さん:そうだね。だからローストの位置なんかもそのへんやっぱりヨーロッパなんかはしっかりしていて、ミディアムローストの珈琲がやっぱり主流で、ミルクにも合うし砂糖との相性もいいしっていう。
高橋:結局今の時代はおかずだけでも生活できるっていうか、偏食傾向みたいなところがありますね。
小野さん:生活が豊かになって、味覚範囲も広がって、すっごい苦いのもあるし酸っぱいのもある。
それは自由だけど、毎日飲むんだったらどこなんだっていうことを僕は考えるんだよね。
高橋:流行に左右されない。
小野さん:うん。そうだね、流行りのものを追いかけたほうが、もっと売れるのかもしれないけど(笑)

小野さん:でも僕はやっぱり、中谷健太郎さんと出会って、亀の井別荘の珈琲を任せてもらうことになって。
中谷健太郎さんは、僕にとってみれば生きがいだったから、亀の井別荘の珈琲として恥ずかしくないものをって、そこをずっと追いかけてきた(笑)
高橋:中谷健太郎さんは、小野さんの道を切り開いた人、人生のきっかけを作った人なんですね。
小野さん:そう、僕はホント、ただの玖珠の田舎の焙煎師だったんだけど、中谷健太郎さんに出会って変わったんだよね。
草野球やってたところ、健太郎さんに「お前やってみろ」って言われて、まともな野球選手に変えてくれたんだから、それはもう僕は一流にならざるを得ないぞって一生懸命やってきました。
高橋:やっぱり小野さんもそうなんだなあ、芯がありますよね。
ブレない。
良い時も悪い時もあるんだろうけど、変わらない。
小野さん:流行っても流行らんでもしっかりした仕事は続けとかんと、芯がないとね。
ただ、僕の場合は特異ですよ。
健太郎さんがそれだけの負荷を俺に与えてくれた。
だからこれまでやってこれたわけで、本当に感謝ですよ。
高橋:僕もブレない男でいたいなあ(笑)
(おわり)

【インタビュー連載】第一話 珈琲木馬 小野悦典さんに聞きました。


【 profile 】

小野 悦典
湯布院・塚原高原「珈琲木馬」代表。
丁寧にローストされた自家焙煎珈琲と奥様の焼く素朴な焼き菓子は、多くの食通・珈琲通に定評がある。
珈琲木馬
大分県由布市湯布院町塚原奈良山4-35


ごはんとおやつと暮らしの道具店コケット

大分県中津市京町1484-6
Tel. 0979-22-8234
(金曜定休+不定休)
営業時間 11:00~17:00
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